思考の欠如

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「絵本」と「コーチング」で笑顔を生みだすUluru代表 中村 文江です。

 

思考の欠如

 

昨年、映画館で「ハンナ・アーレント」を観ました。ユダヤ人虐殺に関する映画です。

ハンナ・アーレントはユダヤ人でアメリカに亡命した政治哲学者です。彼女がナチス官僚のアドルフ・ハイヒマンの裁判を傍聴し、そのレポートを「ニューヨーカー」に掲載しました。その内容は哲学者の視点で書かれており、人間の悪の凡庸さを浮き彫りにしたものでしたが、ユダヤ人からは非難の嵐を受けてしまいました。

彼女はナチスが起こした残虐さにフォーカスするのではなく、人間誰しも持っている性質や人類に対する犯罪について深い洞察を伴うものでした。

それは、学校で起こるいじめや職場で起こる排他的心理や多様性を認めない幼稚な社会に向けての警告でもあります。

私は、子どもたちに「考える」ことをしつこく求めます。

他の人と同じでなくていいから、考えて自分の言葉で表現する、思考を止めるなと言い続けます。

人は身の危険を感じると思考を止め、表層的な行動を起こしがちです。

多数派に身を隠し、全体主義の波にのまれてしまいます。

それもきっと生き延びていく方法、手段なのでしょうね。

しかし、大勢の人がそのパターンに入り込んでしまうと、危険な状態がやってきます。

異を唱えることができない家庭、学校、職場、組織、国は正常とは言えません。

人間誰しも幸せになりたい、生き延びたい、身を守りたい、もちろんそうですね。

しかし、みんなが思考を止め全体主義に走ってしまい、実は自分も悪に手を染めていたと、後で気付くのは嫌ですね。

現在は多様性の時代です。自分で考え、行動し、生活できるのです。

思考が孤立したり、攻撃されたり、いじめを受けたり、そんな環境は暮らしやすくはありませんね。

思考の欠如が人間をほろぼしうる犯罪をもたらす可能性があること、全体主義の盲点を常に意識し、自立的思考を心掛けたいものですね。

 

「絵本」と「コーチング」で笑顔を生みだすUluru代表 中村 文江

 

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