飴
昔話
「物語」を軸にした大人グループで「ヘンゼルとグレーテル」に触れました。
お兄ちゃんのヘンゼルと妹のグレーテルが親に捨てられ、お菓子の家にたどり着く話。
食べ物がないからと子どもを捨てる親、ヘンゼルを食べてしまおうとするおばあさん、いつもお兄ちゃんの後ろで泣いているグレーテル、私たちの心の奥にある影の部分を描き出しています。
子育てのヒントをお話にして伝え続けているのが「昔話」です。
親の勝手な判断や息子を食べてしまうほどの過度な愛でいつまでも手元に置いておく心理、泣いてばっかりの自立心のない娘。
お母さんの中にある「グレートマザー」を意識することが重要だと昔話は言ってます。
可愛いからと何でも買い与え、際限なく小遣いをあげる、
グレーテルのように泣いてばっかり、自分で考えず大人になってしまう、、、
こんな過程で育ってきた子が社会に出るとどうなりますか。
大人になり切れない大人が増えています。挙句に自立できなかった理由を親の育て方の問題だと転嫁します。
「引きこもり」「自傷行為」「精神疾患」若者に覇気がなく、働かないことはこの国の大きな問題です。
最初に親が子どもたちを森に捨てる行為は、子ども自身の力で生きていく力をつけさせるため、
ヘンゼルは森に石やパンくずを置く行為で知恵の大切さを表し、グレーテルはかまどにおばあさんを押し込む行為で自立の重要性を説いています。
子どもは本来「生きる力」を持って生まれてきます。
その力を「愛」という飴で溶かさないように。
「ねる前に絵本を一冊」のUluru代表 中村 文江