3人のおろかもの
むかしむかし、お百姓の夫婦に娘が一人おった。
このむすめが、結婚することになり、若旦那は毎晩娘に会いに来て、お百姓の家でご飯を食べた。
娘が、夕食のビールをくみに地下の蔵へ行き、樽からビールをくみながら、ひょいと天井を見上げると、梁に木槌がひっかかっていた。
木槌はもう長いことそこに引っかかっていたが、とんと気付かなかった。
そこで、娘は考えた。「あんなところに木槌があるなんて危なくてしょうがない、結婚して子どもが生まれたら、その子が育ってこの地下にビールをくみにくる。そうすると、木槌が落ちて来て、死んでしまう。」
娘の両親も心配し始め、おんおんと泣き崩れ、若旦那は「あなたたちのような人が3人いたら帰って来よう。」と言い残し、木槌をはずし、呆れて家を出て行ってしまう。
そんな経験ありませんか?
まだ落ちてこない木槌をずぅーと見て心配していること。
リスクマネイジメントは必要ですが、過剰な心配は人生を無駄にしてしまいます。
やってみて気付くこと、駄目なら改善すればいいんです。何度も何度も。
さて、若旦那は娘の家に帰ってきたか?
イギリスの昔話 「3にんのおろかもの」を一読あれ。