人間は考える葦である
第二次世界大戦中にナチス強制収容所から脱出し、アメリカに亡命したドイツ系ユダヤ人、
「ハンナ・アーレント」
実在した人物の映画を見た。
アメリカに渡り、高尚な哲学者として敬愛されていたが、1960年代初頭、ナチス戦犯アドルフ・アイヒマンの歴史的裁判に立会い、ザ・ニューヨーカー誌にレポートを発表。その衝撃的な内容に世間は揺れ、彼女自身も窮地に立たされる。
「考えることで人間は強くなる。」との彼女の信念。
思考が止まってしまうことの危険
戦争にしろ、いじめにしろ、その“場”の空気に流されてはいないか。
人間の心を持つ 自分で考えることの意味は大きい。
「人間はひくときの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である。彼を押しつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。蒸気や一滴の水でも彼を殺すのに十分である。だが、たとえ宇宙が彼を押しつぶしても、人間は彼を殺すよりも尊いだろう。なぜなら、彼は自分が死ねることと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。宇宙は何も知らない。
だから、我々の尊厳のすべては、考えることの中にある。われわれはそこから立ち上がらなければならないのであって、われわれが満たす事の出来ない空間や時間からではない。
だから、よく考えることを努めよう。ここに道徳の原理がある。」 パスカル 「パンセ」より
ハンナ・アーレントの学生たちを前にしたスピーチは、私の魂を鷲掴みにした。